気ままに文学を

一般の小説や同人誌の作品の感想を述べていきます。

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sanzo-iwaki

Author:sanzo-iwaki
メリー・ホプキン〔英〕は今でも聴きます。
毎週更新!が目標。今後の予定。カズオイシグロ、村上春樹、水村美苗、群系各評論。


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大堀敏靖「大東亜戦争と日本人╶╴文学者の日記から」『群系』28号

 かつてのあの戦争を、今回の大震災と重ねて論じた好エッセイだと思います。従来「大東亜戦争」擁護の論というと高村光太郎や三好達治ぐらいしか援用されず、あの有名詩人たちがあれほどの怒りを米国に感じていたのだから、いかに日本が追い込まれていたか分かるという論法に留まっていました。しかし筆者・大堀さんは、ドナルド・キーンに採り上げられた、高見順、野口米次郎、伊藤整、横光利一、山田風太郎らの日記を示すことで当時の日本人の戦争に対する心情を重層的に論じています。その論調は冷静でもあります。たとえばこういうところでしょう。
「「愚かな侵略戦争を戦いアメリカに民主化された軍国日本」という教育を受けてきた戦後生まれの私には、開戦時の作家たちの高揚した日記には「本心だろうか」と疑う気持ちが未だにぬぐえないものがある」
「このように敵意むきだしである。平和教育を受けて、話し合いで世界平和を、と教えられてきた私たちには、「そこまで言うか」である」
 ドナルド・キーンの言葉にも興味深いものがあります。
「「源氏物語」のような繊細で美しい文学を生み出す日本人がなぜ大陸や海洋に飛び出してあのような大規模な戦争を起こしたのかということだろう」
 こういう部分は考えさせられるものがあります。
 筆者の評論展開は多角的で従来にはない斬新なものがあり、  そういう点で好エッセイというべきでしょう。
 現在の中国がいかに「民度」が低いかということもわかりました。
 戦争をめぐる議論として厄介なのはそうした中国や、韓国です。19世紀後半、両地域は国民国家というにはほど遠く、当時の列強の力関係に翻弄されざるを得なかった。ナショナリズムが芽ばえてきたのはそれ以降のことです。侵略だと言って日本のことが許せないのは、昔は東アジアの先進国だったという歴史上のプライドからくるものでしょう。日本はこれについてどう相手をしていったらいいんでしょうね。
 最後に、アメリカは「太平洋戦争」とは言っていないそうです。「第二次世界大戦の太平洋戦線」と言っているんだそうです。また現在の日本の歴史研究者の間には「太平洋戦争」という言い方はやめ、「アジア太平洋戦争」と言おうという動きがあるそうです。しかし山室建徳という人はそれも太平洋戦争の亜流の言い方であるから、包括的にはやはり大東亜戦争がよいだろうと言っています。

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野口存彌「大田洋子と原子爆弾」

野口存彌「大田洋子と原子爆弾──人間の不幸へ注ぐまなざし」『群系』28号

あー、いい文章いい作品を読んだ!
有意義な時間だった。筆者へ。有り難うございます。

野口さんとはむかし何度かお会いしたことがあります。ずっと年下の者が言うのも畏れ多いことだが、この作品は秀逸、傑作だと思います。評論というには厳めしくなく、評伝というにはそれ以上のものがあり、物語性をもって読者を引き込むという点においてこれは「小説」というべきでしょう。

なめらかな文章。滞りのない文脈。かつ一つ一つの展開に内容の濃さがあります。用いている文献は少ないにも関わらず、それらを繋げ深みを持たせているのは、人事や社会やものの見方についての筆者の見識でしょう。原爆の惨状を描く大田洋子とそれを引用する筆者の気概が一体化しています。

【良かったと思った表現】107 頁
「特殊なと言ってもいい題材と向き合いながら、作者としての力量を存分に発揮している。二十世紀最大の事件だったと受け取れる原子爆弾の投下という問題をとりあげて、投下された側の視点でその状況を克明に語り尽くし、現代の文学としての屈指の重要な作品となった。」

【興味深い箇所】109 頁
「…そうした経過のなかで、アメリカ占領軍が大田洋子が『屍の街』の出版を意図していることを把握した模様である。昭和二十二年二月と推定されるある朝、村の子どもがひとりのアメリカの兵士と日本人通訳を大田洋子の借りている家の前に案内してきた。」


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森絵都『ラン』

月刊WEB風で前に自分のフルマラソン挑戦のことを書いてみたので、ではプロはどんなふうに書いているのかと思い読んでみた。主人公環(たまき)のフル完走までが書かれているのかと期待したが、ハーフも走ったことのない環がついにフルの大会に出場してスタートしたところで話は終わる。絵都さんは本人もフルを走ったことがないので、この小説後それに挑戦したということだが、今度は完走したあとの話を書いてほしいと思う。463ページの長編であっても、文章が軽のですいすい読める。『風に舞うビニールシート』とは文体が違う。それも才能なのだろうが、オカルトを絡めるところには私は賛成しかねますね。

ランラン
(2008/06/19)
森 絵都

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ラン (角川文庫)ラン (角川文庫)
(2012/02/25)
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森絵都『風に舞いあがるビニールシート』

難民問題を調べているうちにこの小説があることを知った。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に勤務する女と男の物語であり、そういえばNHKの土曜夜のドラマで吹石一恵が主演でこの物語やってたなと思い出した。
2006年の直木賞を受賞している。UNHCRとはどんなところかよく分かり、作者は大学(早大)を出てからこの機関に何年か勤めたんだろうと思って読んでいた。が、最後に参考文献が15冊並べられており、ということは調べて書いた創作だということだろう。プロの筆力、想像力とはそういうものなのかと感心した。

風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)
(2009/04/10)
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成瀬勝「遊廓跡」 『群系28号』

綿密な内容。よく細かく調べているもんだと感心しました。練られた文体で読みやすく、学ぶべきものありです。
展開もうまく読み手を引き込むように工夫されていると思います。ただホラーが好きな人はいいでしょうけれど、
こうしたジャンルは私の趣味じゃないです。
文芸誌「群系」
群系28号

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十何年前アメリカに旅行して以来、一貫してスターバックスのコーヒー豆しか買わなかった私が、広告を見てそんなに言うんなら買ってみようと思い買ってみたのがこのコーヒーです。すっきりして非常に飲みやすいです。一回注文する分には値段も手頃で、洒落たコーヒーカップがおまけで付いており、またコーヒーの勉強になるようなチラシ類もあって、提供者の誠実さが伝わってきます。
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永野悟「文芸誌にみる「3・11」と過去の大災害」

永野悟「文芸誌にみる「3・11」と過去の大災害-メディアと作家はどうみたか-」『群系28号』

主宰・永野氏の時宜を得た評論です。文学界が震災をどう捉えているかサーベイするには好都合でした。
やはり言及されるだろうなぁと思った鴨長明「方丈記」も採り上げられており、日本人の無常観をどうしても考えざるを得ないものがあると思います。全体として視点、捉え方にバランスのよさがあると思います。
また、5頁目の編集の辞も含め時代への誠実さを感じました。


文芸誌「群系」
群系28号

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昨年、中古ノートパソコンをネットを通じて買った際、楽天カードに入会すれば3割ほどの割引になると説明があったのだが、手続きが面倒くさいと思って提示金額で買った。今頃そのサービスの良さを知り、手続きも案外簡単で、あのときカードを作っておけばよかったと悔いている。
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沢木耕太郎『あなたがいる場所』

ノンフィクション作家・沢木耕太郎は、取材を重ねた結果フィクションにしてしまいたくなることがあるけれど、
けっしてフィクションは書かないんだと語っていたが、その同氏が昨年小説を発表した。中高生にも読めるような内容と文章ということで非常に読みやすい。
9編の短編が収められているが、傑作!は「天使のおやつ」である。綿密な取材がベースにあるが、人間への愛情を込めたストーリー展開はやはりプロである。私にとってのこの数年の最も感動的な小説だった。


あなたがいる場所あなたがいる場所
(2011/04)
沢木 耕太郎

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昨年、何年ぶりかで飛行機に乗ったが、このカードがあったらもっとスムーズにチケットが手に入っただろうと思う。「マイル」が貯まりやすいというのも楽しみがあってよい。このカードにはいくつかの種類があって、ビューSuica のくっついているものがあり、それを見たときすぐに申し込みを決めた。ビューSuica は前から欲しかった。チャージ金額が不足しているときは自動的にクレジット決済でSuica にチャージされる。これでもう赤信号がついてゲートをクローズされることもない。飛行機と電車、一石二鳥のカードである。
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