気ままに文学を

一般の小説や同人誌の作品の感想を述べていきます。

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sanzo-iwaki

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メリー・ホプキン〔英〕は今でも聴きます。
毎週更新!が目標。今後の予定。カズオイシグロ、村上春樹、水村美苗、群系各評論。


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赤坂真理 『東京プリズン』

 赤坂真理の作品で読んだのは『ヴァイブレータ』『ミューズ』『彼が彼女の女だった頃』だったが、性をテーマとする作家だと思ってきた。しかし、この『東京プリズン』には驚かされた。この人にこれだけのストーリーを書く力があるとは思いもよらなかった。
『東京プリズン』は敗戦、天皇、憲法を初めて文学にした小説だと思う。かつ戦後日本にたいして痛烈な問題提起をしている。
「読み終わった時、戦後史について、日本という国の精神誌について、新しい像が生まれていることに気づく」(池澤夏樹)、「これは世界文学である。今すぐ各国語に翻訳して欲しい」(いとうせいこう)、「これこそが文学の仕事だろう」(石原千秋)、「文学史上きわめて重要な問題作だ」(田中和生)、「この気宇壮大な力作に、私は感動した」(松浦寿輝)、以上は帯の言葉だが、私は全部肯定したい。
「゛天皇は、国とピープルの統合の象徴であり、彼の地位の派生してくる源は、主権を持つピープルであって、他のいかなる源でもない゛
 頭の中で翻訳が確定する。驚く。
 これって、まんまじゃん! 私たちの憲法、まんまじゃん! いや、私たちの国の憲法が、ほとんどこのまんまじゃん! 文末が少し違うだけだ。」(292頁)
 マリのこの驚きこそ真っ当な気持ちと言えないだろうか。

『東京プリズン』は真理は2012年の第66回毎日出版文化賞、第16回司馬遼太郎賞を受賞している。

東京プリズン東京プリズン
(2012/07/06)
赤坂 真理

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